2024(和紙 / 墨 / LED) 会場:メディアショップギャラリー
「ぎりだった」
やらなければいけないことが自分の許容量を超え始めた時、顕微鏡で自分の意識を覗くと、意識で拾える言葉たちが飛び交う一番底の方で、千切れそうな危うい綱が見えた。綱を拡大してみると「寛容、慈愛、分別、忠義、節制、純潔、勤勉」で構成されていた。この社会の命綱によってどうやら人として生きているようだ。いっそ切れてしまってもよかったのになと思いつつ、じわじわと補修されていくのを眺めていた。始発の電車の音が響く渋谷の朝はぼんやりとしていた。
これはパンドラの箱を題材とした作品である。7つの大罪の反語を命綱にし社会をかろうじて渡り歩いている。忙殺される毎日で命綱が擦り切れそうな現代。いっそきれてしまったら、希望が残ったのかもしれない。


